「学歴差別って本当に存在するのかな?」
「本当に存在するなら、差別なのにどうして許されているの?」
結論から述べると、学歴差別は多くの業界で浸透しています。
というのも、学歴差別は本来の意味での「差別」を表す言葉ではなく、企業がより良く存続するための必要悪だからです。
そこで本記事では、学歴差別が浸透している理由や業界、学歴差別を克服するための方法を解説します。
この記事を読めば、学歴に対する疑問や悩みが解消されますよ!
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就活における学歴差別とは?学歴フィルターとほぼ同じ意味
学歴差別という言葉を聞くと、「〇〇大学の分際で〜」や「〇〇大学だからしょうがない」といった、本来の意味での差別を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、こういった学歴差別は、就活での場ではあまり発生しません。
SNSが普及している現代でこんなことをしてしまえば、企業への悪い噂があっという間に広がってしまうからですね。
実際に、株式会社トモノカイがおこなった調査によると、学歴差別を受けた場として「就活」を挙げている大学生はわずか7.4%しかいませんでした。
引用:t-news『「〇〇大学のくせに~」現役大学生が経験した学歴差別を調査してみた』
では、学歴差別とは何なのかというと、それは学歴フィルターのことを指す場合がほとんどでしょう。
学歴フィルターとは、簡単にいってしまえば出身大学を理由に学生を足切りすることですね。
そのため、学歴差別を理解するためには、学歴フィルターの実態について知る必要があります。
学歴フィルターに関するデータ
なお、「自分の学歴にどうしても自信が持てない……」という人は、以下の記事を参考に学歴フィルターの少ない業界を探してみてはいかがでしょうか。
1.学歴フィルターを感じた学生の割合は46%
引用:日本労働組合総連合会『就職差別に関する調査2019』
日本労働組合総連合会が行った調査によると、就活を通して学歴フィルターを感じた大学生・院生の割合は全体で46.4%にのぼります。
単純計算で、学生の2人に1人が学歴フィルターを感じていることになりますね。
就活生の中には、まれに学歴フィルターの存在を否定したがる方がいますが、仮に実態が伴わなければここまで高い数値にはならないはずです。
2.ターゲット校を設定している企業は全体で39%
引用:HR総研『「学歴フィルター」をせざるを得ない採用の実情』
HR総研が行った調査によると、ターゲット大学を設定している企業の割合は、全体で39%にのぼります。
このうち、大規模企業の割合が56%と高いのはともかく、注目すべきは小規模企業の割合です。
なんと、300名以下の企業でも4社に1社は学歴フィルターを導入しており、「学歴フィルターは大企業や有名企業にしか存在しない」という意見を覆すものとなっています。
3.大企業の採用実績校は高学歴大学に集中
大手ビジネスメディアであるダイヤモンドオンラインが作成したランキングによると、大企業の採用実績校は高学歴大学に集中しています。
ここでは、実際に紹介されている企業の中からいくつか抜粋してみましょう。
企業名 採用実績校(カッコ内は2020年に採用された人数) 伊藤忠商事 慶應義塾大学(25)
早稲田大学(20)
東京大学(12)
京都大学(8)
一橋大学(7)三菱UFJ銀行 早稲田大学(83)
慶應義塾大学(73)
同志社大学(37)
関西学院大学(35)
南山大学(32)トヨタ自動車 名古屋大学(41)
京都大学(31)
東京大学(30)
早稲田大学(29)
大阪大学(28)ソニー 慶應義塾大学(49)
早稲田大学(46)
東京大学(33)
東京理科大学(25)
大阪大学(19)NTTドコモ 早稲田大学(28)
慶應義塾大学(17)
明治大学(17)
同志社大学(16)
横浜国立大学(15)全日本航空(ANA) 慶應義塾大学(37)
青山学院大学(36)
関西外国語大学(35)
関西学院大学(35)
早稲田大学(29)武田薬品工業 大阪大学(5)
筑波大学(5)
九州大学(4)
京都大学(4)
大阪府立大学(2)ニトリ 早稲田大学(40)
立命館大学(36)
北海道大学(30)
関西大学(27)
中央大学(27)アクセンチュア 慶應義塾大学(76)
早稲田大学(66)
東京大学(41)
京都大学(29)
上智大学(28)引用:ダイヤモンドオンライン『人気41企業別「採用大学」ランキング!大手総合商社4社でオール1位となったのは?』
上記のとおり、有名企業に就職している学生の多くは、高学歴大学の出身者で固まっています。
そして、この傾向は何も有名企業に限った話ではありません。
実際に前述のHR総研が行った調査によると、規模が大きい企業ほど高学歴大学が、規模が小さい企業ほど低学歴大学が内定していることが分かります。
こういった大学格差が、結果として就活生の被害者感情に繋がっているのだといえるでしょう。
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就活で学歴差別が浸透している理由
就活の場で学歴差別が浸透している理由は、以下の3つが考えられます。
学歴差別が浸透している理由
- すべての学生を評価するほどの余裕がないから
- 優秀な学生を確保したいから
- 地元の学生を対象とした採用施策を行ないたいから
出身大学だけを参考に人の評価を下すのは、決して好ましいことではありません。
偏差値の低い大学にも優秀な学生は在籍していますし、逆に東大にも優秀でない学生はいくらでもいるからです。
だからこそ、学歴差別は浅はかな採用基準でしかないのですが、一方で企業側には「すべての学生を評価しきれない」という実情があります。
また、採用資金が限られている地方企業や中小企業では、大々的な採用広告を打ち出せません。
そのため、特定の大学をターゲットとした絞り込み戦略を行わざるを得ないわけです。このことから分かるとおり、学歴差別とはある種の必要悪なのだといえるでしょう。
学歴差別が少ない業界の共通点は「人材不足」
では、どういった業界なら学歴差別が少ないかというと、それは慢性的な人出不足に陥っているところでしょう。
具体的には、以下の業界が挙げられます。
人手不足に陥りやすい業界
- IT業界
- 建設業界
- 運送業界
- 製造業界
- 介護業界
- 小売業界
- サービス業界
これらの業界は、就活生からの人気が高いとはいえず、定員割れを起こすことも珍しくありません。
つまり、学歴フィルターを設けて就活生を足切りする余裕がないということですね。
しかもここで紹介した業界のうち、IT業界と製造業界は平均年収が高く、教育制度や福利厚生も充実している傾向にあります。
そのため、学歴差別に悩む人にとっては、非常に狙い目だといえるでしょう。
具体的な企業については以下の記事で解説しているので、「学歴に自信はないけど、良い会社に就職したい…」という方はぜひ参考にしてくださいね。
学歴差別から逃れられるボーダーラインは「MARCH」と「関関同立」
『大手企業に就職している学生も有名大学に集中』でも紹介したとおり、有名企業への採用実績がある大学は、MARCHと関関同立以上に集中しています。
とはいえ、MARCHや関関同立の出身者が学歴差別に悩まされていないとはいえません。
実際に、HR総研が就活生に対して行った調査によると、旧帝大や早慶クラスでさえ半数以上は学歴フィルターを実感しています。
引用:HR総研『「学歴フィルター」をせざるを得ない採用の実情』
つまり、東大や京大クラスでもない限り、学歴差別の呪縛から逃れることはできないということですね。
そのため、「低学歴だから差別されるんだ……」という考えは精神衛生上、捨てたほうがいいといえるでしょう。
学歴差別を克服する方法5選
学歴差別を克服する方法には、以下の5つが挙げられます。
学歴差別を克服する方法
学歴差別を克服するためには、学歴以上の強みを身につけるか、実際に高学歴になるかのどちらかしかありません。
後者のほうが難易度が高い分インパクトも強いので、自分の学歴にコンプレックスを抱いている方はぜひ挑戦してみてくださいね。
それでは、具体的な克服方法を解説していきます。
1.ITスキルや語学を身につける
ITスキルや語学は専門的知識と捉えられることが多いですが、実は一般的な企業でも重視しているところが多いです。
というのも、現代においてITを導入していない企業はほとんど存在していないからですね。
また、日本は少子高齢化とそれに伴う人口減少に見舞われており、国内だけでのビジネスに限界が生じています。
だからこそ、海外での業績を伸ばすことが求められているのですが、そのためにはグローバルな人材が必要です。
実際に、日本でTOEICを行っている国際ビジネスコミュニケーション協会によると、「英語を新卒採用の参考にしている」と回答した企業は44.9%にのぼります。
引用:国際ビジネスコミュニケーション協会『TOEIC Programを活用している企業・団体における英語教育、英語活用の実態調査』
このことからも分かるとおり、ITスキルと語学力は就活生にとって必須なものとなりつつあります。
「そういわれても、何を勉強すればいいのかわからない…」という人は、以下の記事を参考にしてください。
2.長期インターンに参加する
長期インターンとは、1〜3カ月以上に渡って参加し続けるインターンシップのこと。
一般的には職業体験をするためのものだと捉えられがちですが、実はこれに参加することによって今後の選考が有利に進む可能性があります。
というのも、「インターンシップ参加者は、一般応募者よりも熱意や志望度が高い傾向にある」と企業側が認知しているからですね。
実際に、「早期選考に進めた」という人は52.6%、「採用選考の一部が免除になった」という人は29.2%に上りました。
また、2020年度の調査では、またインターンシップに参加した学生は、そうでない学生よりも内々定率が高まると明らかにされています。
引用:新卒採用サポネット『2020年卒マイナビ大学生内定者意識調査』
インターンへの参加経験は学歴をも覆す強力な武器なので、以下の記事を参考に挑戦してみてはいかがでしょうか。
3.有名大学に編入する
学生でさえも忘れていることが多いですが、実は大学にも編入学制度が設けられています。
なぜこれが学歴差別の克服に有効かというと、それは最終学歴を編入後の大学へと上書きできるからですね。
つまり、最初は偏差値の低い大学に入学しても、その後東大に編入すれば最終学歴は「東京大学」ということになるのです。
ただし、大学編入は以下の理由から難易度が非常に高いとされています。
大学編入が難しい理由
- 高い英語力が求められるから
- 編入先に応じて専門科目の学力を問われるから
- 編入に関する試験情報が少ないから
独学で編入することは難しいため、基本的には『大学進学センター』などを頼ることになるでしょう。
ちなみに、具体的な編入学者数は大学入学情報図書館RENAのデータベースにまとめられているので、 興味がある方はチェックしてみてくださいね。
4.有名大学院に進学する(学歴ロンダリング)
有名大学への編入と同じく、有効とされているのが有名大学院への進学です。
いわゆる学歴ロンダリングと呼ばれる方法で、最終学歴を進学先の有名大学院へと変えることができます。
こう聞くと、『その大学を卒業しているわけでもないのに、大学院に進学することなんてできるの?』と思われるかもしれませんが、これは十分可能です。
実際に、東京大学大学院の入学状況を例に見てみましょう。
研究科 学部からの入学者数 他大学からの入学者数 人文社会系 68人 51人 教育学 33人 53人 農学生命科学 163人 123人 工学系 574人 293人 理学系 162人 188人 引用:東京大学『大学院学生の入学状況 [令和元(2019)年]』
上記のとおりで、研究科によってはむしろ他大学からの入学者のほうが多いことさえあります。
しかも、大学院によっては有名であるにも関わらず定員割れしていることもあるので、興味がある方は先ほどの『大学進学センター』から資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか。
5.就職エージェントを利用する
就職エージェントを利用するのも、学歴差別を克服する一つの手段です。
就職エージェントとは、就職を希望する学生に専任のキャリアアドバイザーがつき、学生の就活を全般的に支援してくれるサービスのこと。
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自分にできることを一つずつやることが大切
この記事では、以下の内容について解説しました。
まとめ
- 就活における学歴差別とは
- 就活で学歴差別が浸透している理由
- 学歴差別が少ない業界の共通点は「人材不足」
- 学歴差別から逃れられるボーダーラインは「MARCH」と「関関同立」
- 学歴差別を克服する方法
ターゲット校を設定している企業の割合は全体で39%を占めており、300人以下の小さな企業でも26%に達しています。
そのため、「自分は中小企業を志望しているから、学歴フィルターは関係ない」という意見はほとんど通用しないといえるでしょう。
とはいえ、一方で学歴フィルターの存在をに固執しすぎることも問題です。
企業の多くは選考結果の理由を公表しないため、そもそも自分が学歴フィルターによって落とされたのか判断できないからですね。
場合によっては、自分の実力不足を理由に落とされている可能性もあるので、以下の記事を参考に自分のESや面接は完璧かどうか見直してみてはいかがでしょうか。
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