- 「文系未経験でもシステムエンジニアになれるの?」
- 「文系からシステムエンジニアはきついって本当?」
コンピューターシステムの開発や運用を担うシステムエンジニア(SE)。
SEと聞くと理系のイメージが強く、文系学部でも内定をもらえるのか気になる人は多いでしょう。
結論をお伝えすると、文系未経験でもSEになれます。ただし、向き・不向きやきつい面があることも事実です。
この記事では、文系未経験でも採用される理由やSEの向き・不向き、就職活動を成功させるコツを紹介します。
最後まで読むことで、文系からSEになれるかどうかがわかり、応募するための一歩を踏み出せるようになりますよ。
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文系でもシステムエンジニア(SE)になることは十分可能!
文系でも立派なSEになれる可能性は、十分あります。このように断言できる理由は、以下の2点です。
- 文系出身のSEは多い
- 文系の未経験でも採用される理由がある
「文系エンジニアは使えないのではないか」と思っている就活生がいますが、全くそんなことはありません。
実際に文系出身でも活躍しているSEはいますし、文系学生が得意とするコミュニケーション能力や文章力は、SEで重宝されるのです。
それでは、詳しく解説していきます。
文系出身のSEは多い
文系出身でSEとして働いている人は多いです。
SEの仕事はプログラミング知識だけではなく、一般的に文系出身者が得意な論理的思考力やコミュニケーション力が求められるからです。
IT人材白書2020によると、IT従事者の約30%は文系出身であり、文系でもSEとして働いていることがわかります。
画像引用:IT人材白書2020|独立行政法人情報処理推進機構
また、SEの仕事では、お客様のヒアリング内容をもとにわかりやすいシステムの仕様書を作成するため、文章力も求められます。
このシステムの仕様書がわかりにくいと、プログラミング言語でソースコードをいじるプログラマーが混乱してしまい、仕事が進まないでしょう。
そのため、理系学生よりも表現力に長けている文系学生は、SEでも十分に活躍できるのです。
文系の未経験でも採用される理由がある
文系の未経験でもSEに採用される理由は、以下のとおりです。
- 論理的思考力や問題解決力がある
- コミュニケーションスキルがある
- 熱意や向上心をアピールできる
文系出身者は、論理的思考力や問題解決力に優れている場合が多いです。
SEは、顧客が抱えている課題を論理的に整理して解決案を考えないといけないため、文系学生が求められているのです。
「SEは1人で黙々と働く」と思っている就活生が多いですが、大きな勘違い。SEは、社内でチームを組んで、協力しながらプロジェクトを進める必要があります。
そのため、他人とのコミュニケーションが好きな文系学生は、SEに採用されやすいのです。
さらに、IT未経験であってもSEに挑戦したいということは、熱意や向上心を面接官にアピールできるでしょう。
企業側は、新しいことに積極的に取り組む人材を求めているため、挑戦心溢れる文系学生は内定をゲットしやすくなりますよ。
文系学部からSEはきついといわれる理由3つ
文系学生がSEになるのはきついといわれる理由として、以下の3点が挙げられます。
- IT知識の勉強が必須になる
- 残業続きになることもある
- 数学的能力や論理的思考力が必要となる場合もある
SEは、IT知識の勉強を常にしないといけませんし、プロジェクトにトラブルが生じた場合は残業続きになることもあります。
また、文系学生が苦手とされる数学的能力が求められるため、文系からSEは厳しいといわれるのです。
より詳細に説明していきます。
1.IT知識の勉強が必須になる
IT知識の勉強が必須になるため、文系学生がSEとして働くのはきついといわれています。
SEは、コンピューターシステムの開発や運用を担当するため、ITに関する高度な知識や技術が求められます。
プログラミング言語やデータベース、ネットワーク技術など、ITの基礎知識が不十分だとSEの業務を遂行することは難しいでしょう。そのため、文系がSEとして働く際には、IT知識を一から学ばなければいけません。
また、IT分野は技術の変化が早いため、キャッチアップするために常に勉強する必要があります。
ITの勉強をほとんどしてこなかった文系はかなりの学習時間が必要なため、SEになると辛いといわれているのです。
2.残業続きになることもある
残業続きになる場合もあるため、文系はSEになるときついといわれています。プロジェクトのスケジュールが遅れそうな場合やトラブルが発生した場合に、残業が生じやすいです。
「SEは、かっこいいオフィスでぬくぬくと働く」と思っている就活生がいますが、実際はかなり泥臭いですよ。
大規模なシステム開発プロジェクトでは、お客様から途中で新しい要望が入ったり、予定通りに開発が進まなかったりと、納期前には残業続きになることも多いです。
終業後に家で勉強することも欠かせないため、体力的にきついと感じる一面もあり、文系出身者がSEになるのはハードといわれているのです。
3.数学的能力や論理的思考力が必要となる場合もある
SEは、数学的能力や論理的思考力が必要となる場合もあるため、文系学生が働くのはきついかもしれません。
SEは、要件定義や設計、システムテストなどの業務を行いますが、これらには数学的な知識が必要なときがあります。
たとえば、顧客がどのような機能を求めているのかを理解するために、特定のアルゴリズムを使った計算処理が求められるケースがあるのです。
また、昨今注目されている人工知能(AI)開発や統計処理などに関する知識も、一部のSEには求められますよ。
さらに、開発中のシステムでトラブルが発生した際には、高度な論理的思考力を用いて解決しなければいけないため、文系からSEは難しいといわれています。
SE向きの人の特徴5選
ここからは、SE向きの人の特徴について紹介していきます。
- 地道な作業も苦にならない人
- ロジカルシンキングが得意な人
- 臨機応変に行動できる人
- コミュニケーション能力のある人
- 学習意欲の高い人
SEはシステムの細かいトラブルの修正や顧客にヒアリングを行うことから、地道な作業をこなせる人やコミュニケーションできる人が向いています。
SEに向いている人の5つの特徴について、より詳細に解説していきます。
1.地道な作業も苦にならない人
地道な作業も苦にならない人は、SEに向いているでしょう。プログラムの設計や開発においては、論理的思考力がないと複雑な問題を解決できないからです。
SEは、プログラムのコーディングやテストなどの地道な業務を遂行しないといけないからです。
SEの仕事には、要件定義や設計などの上流工程から、コーディングやテストなどの下流工程まで幅広い作業が含まれています。
特に、コーディングやシステム稼働のテストは、作業量が多く、単調な作業が多い傾向にあるため、業務を一歩一歩行う必要があります。
2.ロジカルシンキングが得意な人
ロジカルシンキングが得意な人は、SEに向いているでしょう。
ロジカルシンキングとは、問題を分析して解決策を導き出す能力です。
SEの仕事には、煩雑なシステムの設計や開発に関わることが多く、そこでは細部まで正確なロジックで設計を行ってバグを予防することが求められます。
ロジカルシンキングができると、エラーが起こった際に素早く原因を特定し、問題を解決できるでしょう。
3.臨機応変に行動できる人
SEに向いている人の特徴に、臨機応変に行動できる点が挙げられます。プロジェクトによって、異なる要件やお客様ニーズに対応することが必要だからです。
SEはシステムを開発するときもあれば、プロジェクトメンバーをマネジメントするときもあります。チームの状況を確認しながら、「自分にできること」を判断して行動しなければいけません。
また、開発中にお客様から新しい要望が入ることや、プロジェクト進行中に何か問題が発生することもあるため、柔軟な対応力が求められます。
4.コミュニケーション能力のある人
コミュニケーション能力がある人も、SEに向いているといえます。
SEは、社内の多数のメンバーと意思疎通を図りながら、プロジェクトを進めていくことが求められます。
また、社内メンバーだけでなく、お客様と密にコミュニケーションを取る場面も多いです。お客様と信頼関係を築いて、システムのニーズを的確に聞き出さないといけません。
そのため、相手の本心をくみ取って意思疎通をスムーズに行えるコミュニケーション能力が大切です。
5.学習意欲の高い人
学習意欲の高い人は、SEに向いています。
SEとして働くためには、常に新しい技術や知識を勉強する必要があるからです。IT業界の変化は激しく新しい技術が次々に登場するため、学習意欲がなければSEとしてのキャリアアップは難しいでしょう。
また、SEは単純作業ではなく、問題解決やシステム設計などのハイレベルな作業を遂行しないといけません。SEには学習意欲が高く、新しい知識を習得して現場で応用できる人材が必要とされています。
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SE向きでない人の特徴5選
次に、SE向きでない人の特徴5選について紹介します。
- 集中力が続かない人
- 物事を深掘って考えるのが苦手な人
- 思考の柔軟性がない人
- 人とのコミュニケーションが苦手な人
- 浅く広く考えることを好む人
SEは事細かな業務に長時間あたるため、注意力が散漫な人や物事を深く考えるのが苦手な人は向いていないかもしれません。
より詳細に説明していきます。
1.集中力が続かない人
集中力が続かない人は、SEに向いていない可能性が高いです。
SEの仕事には細かい作業が多いことから、集中力が切れてしまうと途中でミスをしたり、スケジュールが遅れたりするからです。
仕事のミスや遅延が原因で、お客様が離れていってしまうことにも繋がりかねません。
SEは、複雑なシステム開発やトラブルに対して長時間集中して取り組み、お客様に満足してもらうサービスを提供することが求められます。そのため、注意力が散漫な人はSEに向いていないでしょう。
2.物事を深掘って考えるのが苦手な人
物事を深掘って考えるのが苦手な人は、SEに向いていないといえるでしょう。
SEは、要件分析や詳細設計など、複雑で難解なタスクに取り組むことが多く、単純な思考では解決できない問題に直面することがあります。
「できる」「できない」と判断するのではなく、根本的な問題点を探って解決策を見出さなければいけません。深い洞察力や分析力がなく、物事を深掘りするのが嫌いな人はSEに向いていないかもしれません。
3.思考の柔軟性がない人
思考の柔軟性がない人は、SEに向いていない可能性が高いでしょう。
SEは、問題解決やシステム開発など複雑で多岐にわたる課題に取り組むため、重要となるのは柔軟性です。
新しいアイデアを生み出し、問題をフレキシブルに捉えて解決できるかが大切なポイントです。柔軟性がないSEは、既存の枠組みに捉われて新しい解決策を生み出せないことから、SEに向いていないといえるでしょう。
4.人とのコミュニケーションが苦手な人
人とのコミュニケーションが苦手な人は、SEに向いていないかもしれません。
チームで仕事をしていると、メンバーと意見が食い違ったり議論が停滞したりすることもあるでしょう。
そんな中でも、他者とコミュニケーションを取り、チームとして解決策を導き出さないといけません。コミュニケーション力が低い人はSEに向いていない可能性が高いのです。
5.浅く広く考えることを好む人
浅く広く考えることを好む人は、SEに向いていないといわれています。SEはお客様の課題を見つけて、その解決策を示さないといけません。
お客様が満足する提案をするためには、SEは中途半端に考えるのではなく、深く思考することが求められます。
1つの問題を細部まで深掘りして、「これ以上ないソリューション」を提案できるかがポイント。
普段から浅く広く考えるのが好き」という人は、SEに向いていないでしょう。
文系学生がSEに就職成功するコツ3つ
ここからは、文系学生がSEに就職成功する3つのコツについて紹介します。
- 具体的な仕事内容を理解しておく
- 適性があるかどうか見極める
- 有利になる資格を取る
企業HPを確認することや説明会に参加することを通して、SEの仕事内容を理解しておくと内定に近づきやすいです。
また、ITパスポートなどSEの就活で有利な資格を取得するのもいいでしょう。より詳細に説明していきます。
1.具体的な仕事内容を理解しておく
SEの仕事内容を具体的に理解しておくと、文系学生でも就職活動を成功させやすいでしょう。仕事内容は、以下の方法で確認してみてくださいね。
- 企業のHPを確認する
- 企業の説明会で話を聞く
- インターンシップに参加する
- OBOG訪問を行う
- プログラミングを書いてみる
企業のHPでは手軽に情報をキャッチできますが、インターンシップやOBOG訪問では手間がかかる分、SEの仕事理解度は深まるでしょう。
また、趣味でプログラミングを書いてみるのも、SEの具体的な業務をイメージするために有効です。
注意点として、同じSEという職種であっても、企業によって仕事内容や働き方が異なるため、応募先企業それぞれの仕事内容を調べて理解する必要があります。
こちらの記事では、SEを含むIT業界のさまざまな職種と仕事内容を紹介しているので、あわせてご覧ください。
2.適性があるかどうか見極める
SEの適性があるかどうか見極めることが、文系学生が就職成功するコツです。SE向きの人の特徴を、再度紹介します。
- 地道な作業も苦にならない人
- ロジカルシンキングが得意な人
- 臨機応変に行動できる人
- コミュニケーション能力のある人
- 学習意欲の高い人
当てはまる項目が多いほどSEに向いており、当てはまるものが少ないほど向いていないでしょう。
自分自身の能力や性格と照らし合わせて、SEの適性があるとわかれば、就活の面接でも自信を持って自分をアピールできますよ。
堂々と面接に臨むことができれば、内定獲得に近づけるでしょう。
3.有利になる資格を取る
SEになるためには、以下のような有利になる資格を取ると、文系学生は就職に成功しやすくなります。
- ITパスポート
- 基本情報技術者・応用情報技術者試験
- オラクルマスター
これらの資格を取得すると、面接官にITに関する知識があることや、「絶対にSEになりたい」という本気度をアピールできますよ。
それぞれどのような資格か紹介していきます。
1.ITパスポート
画像引用:ITパスポート試験
ITパスポートを取得しておくと、SEの就活で有利になるでしょう。
ITパスポートは、経済産業省が認定している情報処理技術者試験という国家試験の一つです。情報処理技術者試験には13種類ありますが、ITパスポートは入り口のテストとして位置付けられていて、合格率は約50%です。
試験内容には、ITの基礎知識や用語、ハードウェアやソフトウェアの概要などが含まれています。
この資格を取ることで、ITの入門知識を身につけていると面接官にアピールできますよ。1カ月から2カ月程勉強すると合格でき、初心者にも取得しやすい資格といえるでしょう。
ITパスポートの詳細については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、気になる人はぜひご覧ください。
2.基本情報技術者・応用情報技術者試験
画像引用:IPA Better Life with IT 情報処理推進機構
基本情報技術者・応用情報技術者試験のいずれかの国家資格を取得しておくと、文系学生はSEの就活に成功しやすいでしょう。
両方の資格とも、経済産業省が認定している情報処理技術者試験の1種であり、合格率は20~30%だといわれています。
試験では、コンピュータシステムや開発技術、プロジェクトマネジメントやシステム戦略など、ITパスポートよりも高度な専門知識が問われます。
基本情報技術者試験に合格するためには、2カ月から3カ月程の勉強時間が必要ですよ。一方、よりハイレベルな応用情報技術者試験では、6カ月程度の学習時間が求められます。
どちらも合格まで時間がかかりますが、取っておくと志望動機に説得力が増すでしょう。
3.オラクルマスター
画像引用:Oracle University
文系学生がSEに就職成功するために必要な資格として、オラクルマスターが挙げられます。
オラクルマスターは、日本オラクルが運営している資格で、データベース技術に関する知識が問われます。ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナと難易度が高くなるのが特徴です。
ブロンズの合格率は約50%で1カ月程の勉強時間が必要ですが、プラチナの合格率は約20%と低く、9カ月程の学習期間が求められます。
データベースに興味のある文系学生は、まずはブロンズから挑戦してみてくださいね。
オラクルマスターを持っていると、面接官に「SEとして働く準備をすでに始めている」とアピールできますよ。
文系未経験からSEになりたい人へ
- 新卒でSE入社しても、ついていけるか不安だなぁ……」
- 「現実的に考えると、プログラミング覚えられなさそう……」
大学で文系分野を勉強していた人がSEになるのは、不安を感じることでしょう。ただし、SEが特別大変ということではなくて、どこの業界、仕事でも最初はハードです。
知識を付けたり、経験を重ねたりしていくことで、徐々に活躍できるようになっていきます。
そのため、SEに少しでも興味がある文系学生は抵抗感を感じずに、挑戦してみるのをおすすめします。文系学生のコミュニケーション能力や文章力、論理的思考力は、SEとして必ず活かすことができるでしょう。
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まとめ
この記事では、文系でもSEになれる理由や、SEに向いているタイプについて説明しました。
特に地道な作業が苦に感じない人や、コミュニケーションを取ることが好きな人はSEの適性があるといえるでしょう。
また、SEとして就職成功させるには、具体的な仕事内容や自分に適性があるかを理解し、有利な資格を取得することも大切です。
「文系だからSEになるのは無理だろう」とあきらめるのは、もったいないです。SEに少しでも興味のある人は、ぜひ挑戦してみてくださいね!
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