「グループディスカッションのテーマって何だろう?」
「今回失敗したテーマはどう考えれば良かったんだろう?」
このように悩んでいませんか?
グループディスカッションにおけるテーマの種類は大きく分けて3種類あり、種類ごとに対策の仕方があるんです!
この記事では、グループディスカッションの種類3つとそれぞれの議論のフレームワーク、進め方について解説します。
本記事を読めば、グループディスカッションでどんなお題が出ても焦ることなく、議論を主導することができるようになりますよ!
グループディスカッションの概要や攻略のコツが知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
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グループディスカッションの種類は3つ
一口にグループディスカッションと言っても、議論するテーマにはバリエーションがあります。
就活におけるグループディスカッションのテーマは大きく分けて3種類です。
順番に解説します。
問題解決型
グループディスカッションの定番といえば、この問題解決型です。
ビジネスシーンや日常生活などあらゆるシーンにおける問題に対して、前提を設定して自分が持っている情報を頼りに合理的な解決策を考案するというのが主な流れ。
扱う問題が大変幅広く、つかみどころがない印象を持つ人が多い問題解決型ですが、扱う問題を細分化するとさらに3つの種類に分類できます。
それぞれ見ていきますね。
プライベート型
プライベート型に分類されるテーマは、集団の利益を追求するテーマのうち、金銭的な問題の解決するための施策を考案するものです。
「経営戦略」という言葉で表せるテーマが、プライベート型に分類されると考えていいでしょう。
プライベート型のテーマ例
- 「レストランの売り上げを2倍にする施策を考えよ」
- 「東京マラソンにより多くの外国人が参加するための施策を考えよ」
- 「日本で馬術の競技人口を増やす施策を考えよ」
パブリック型
パブリック型に分類されるテーマは、集団の利益を追求するテーマのうち、非金銭的な問題を解決するため、すなわち公益を追求する施策を考えるものです。
「公共政策」「非営利団体の運営戦略」という言葉で表せるテーマがパブリック型に分類されると言えます。
パブリック型のテーマ例
- 「地球温暖化に歯止めをかけるための施策を考えよ」
- 「少子高齢化を解決するための施策を考えよ」
- 「町内会の活動を活性化させるためにはどうすれば良いか」
個人ケース型
個人ケースに分類されるテーマは、個人の利益追求に関するものを指します。
「日常生活における意思決定の際の問題解決」という風に言い換えることもできます。
個人ケース型のテーマ例
- 「睡眠の質を上げるための施策を考えよ」
- 「健康でいつづけるにはどうすればいいか」
- 「どこのコンビニに行けば満足できるか」
このように、問題解決型のテーマにもさらに3つの細分化された型が存在します。
しかし、これら3種類のテーマは、後ほど説明するフレームワークを用いることでほとんどの場合同じプロセスで処理できます。
また、「地方都市の観光客を増加させるための施策を考えよ」というテーマのように、プライベート型とパブリック型のどちらにも分類しうるテーマも存在します。
そのため、どの種類に属するかを考えることに固執する必要はありません。
問題解決型グループディスカッションは、コンサルティング業界や総合商社、金融業界など幅広い業界で出題されます。
出題例と出題企業は以下の通りです。
企業別出題例
- 「待機児童を減少させるには」(アクセンチュア・コンサルティング)
- 「商品の宣伝価格の割り振り、販促企画、キャッチコピー、販売時期などを決め、会社の低迷を解決せよ」(三井物産・総合商社)
- 「あるレストランチェーンが事業及び収益を拡大するために、銀行としてどのような提案ができるか」(みずほフィナンシャルグループ・金融)
自由討論型
自由討論型のテーマは、現実に起こっている課題の解決策を考える問題解決型と違い、「〜とは何か」「〜とはどのようなものか」といった抽象的なテーマについて議論するものを指します。
自由討論型グループディスカッションは問題解決型と異なり、明確なフレームワークが存在しないため、個人の自由な発想力や型通りではない「議論をまとめる力」が問われる類型だと言えます。
自由討論型テーマ例
- 「良い社会とは何か」
- 「50年後はどのような社会になっているか」
- 「AIによって生活はどう変わるか」
- 「無人島に一つ物を持って行くなら何にするか」
- 「2020年のオリンピックに新しい競技を採用するなら何にするか」
自由討論型グループディスカッションは、食品メーカーや金融業界など、発想力で企画を行う必要がある業界において出題されます。
出題例と出題企業は以下の通りです。
企業別出題例
- 「理想の会社とは」(森永乳業・食品)
- 「良い会社とは」(日本製粉・食品)
- 「豊かな人生とは」(野村證券・金融)
フェルミ推定型
フェルミ推定とは、「調査しないとわからない数値について、論理的に概算する」ことを指し、フェルミ推定型グループディスカッションはこの概算をグループで行うものです。
フェルミ推定を行う際には様々な要素を網羅的に検討しなければならないため、思考の柔軟さが必要になります。
また、自分一人では気づかなかった論点に対してチーム全体でならば気付く可能性があるため、チームの力を合わせることが重要です。
フェルミ推定型テーマ例
- 「日本に電柱は何本あるか」
- 「日本に犬は何匹存在するか」
- 「パーキングエリアの売上を求めよ」
- 「日本で使用されているテレビの台数は何台か」
フェルミ推定型グループディスカッションは、主に戦略コンサルティングと呼ばれる非常に難易度の高い企業で出題される傾向にあります。
過去には、ローランド・ベルガーなどの戦略コンサルティング会社において出題されました。
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テーマ別!グループディスカッション攻略法
ここまで、グループディスカッションのテーマによる分類を紹介してきました。
ここからは、テーマ別の攻略方法を解説します。
テーマによりディスカッションのアプローチ方法は異なるため、テーマごとのフレームワークを頭に入れてから選考に臨むことで、議論を主導して面接官に力をアピールすることができますよ!
問題解決型グループディスカッションのコツ
問題解決型のテーマは、ほとんどの場合決まったフレームワークで処理できるため、フレームワークを頭に入れることが対策の近道です。
問題解決型テーマにおけるフレームワークは以下の通りです。
課題解決型のフレームワーク
- 定義づけ
- 現状分析
- 課題の特定
- アイデア出し
- アイデアの絞り込み
定義づけ
グループディスカッションで与えられるテーマは、大抵の場合ふわっとした曖昧なものです。
まずは、問題点や施策をいきなり考えるのではなく、テーマの定義を確認して考慮すべき要素を絞り込みます。
議論に多大な時間がかかったり、バラバラの視点で議論が行われたりするのを防ぐ必要があります。
具体的には、意味が曖昧な語句の確認や、目指すものの具体化を行います。
たとえば、先ほどのプライベート型のテーマ例であげた「レストランの売上を2倍にする施策を考えよ」というテーマがあるとします。
この場合、レストランを具体的にはどの店と設定するのか、売上を2倍にするには来客者を2倍にするのか一人当たりの消費額を2倍にするのかなどを全員で確認します。
現状分析
前提確認で考えるべきことの枠が決定したら、次に現状分析を行います。
現状を確認することで、課題の設定や具体的な施策検討がしやすくなります。現状を分析するためには、「問題を構造化する」という作業が非常に重要になります。
構造化とは、「物事の全体を把握した上で構成要素と構成要素間の関係を整理する」こと。
たとえば、「レストランの売上を2倍にする施策を考えよ」という問題を構造化するならば、以下のように要素を分解できます。
構造化した式
- 売上=客数 × 客単価
さらに、客数の要素についても曜日や時間帯という要素に分けられますね。
このように、売上の構造を整理することで、どの要素にアプローチして問題解決につなげていくかを考えていきます。レストランの例は単純に構造化をすることが可能でした。
しかし「東京マラソンにより多くの外国人が参加するための施策を考えよ」といったテーマがあったとします。
この場合、東京マラソンに関わる人の構成は選手と観客の2つがあり、より構成要素は多くなります。
選手の要素には選手の競技レベルや選手のサービス精神、観客の要素にはマラソンの認知度、マラソンを観戦する環境などの要素に分化していきます。
課題の特定
現状の分析ができたら、構造化した各要素を見つつ課題を特定する作業に入ります。
「レストランの売上を2倍にする施策を考えよ」という問題の場合、売上が少ない曜日や時間帯の売上を伸ばすことが課題として挙げられます。
このように、構造化した要素から課題となりうる部分を抽出して考えるのがこのステップです。
課題として考えられるもの
- 売上が少ない曜日や時間帯の売上げ
- 営業時間が短い
- 客1人あたりの処理速度が遅い
- 客単価が安いものばかりである
アイデア出し
課題を特定したら、次は課題の解決するために解決策を具体的な施策に落とし込みます。
この段階ではアイデアを絞りすぎず、先ほど特定した課題を解決できるものであって、ある程度の現実性があれば採用して良いでしょう。
この段階で絞りすぎると、後に優れたアイデアだとわかるものまで考慮が浅い状態で却下してしまう可能性があるからです。
「レストランの売上を2倍にする施策を考えよ」という問題の場合、アイデアとして考えられるのは以下のようなものになります。
アイデア例
- 朝の客数が少ないという課題を解決するために、「モーニングメニュー」を導入する
- 朝早くから開店して営業時間を伸ばす
- レジを打ち込み式のものではなく自動計算式のものにする
- 単価の高いプレミアムメニューを導入する
アイデアの絞り込み
最後に、今までで出たアイデアの絞り込みを行います。
それぞれのアイデアをある一定の基準で評価し、優先順位をつけていきます。
評価するための基準には様々な要素が考えられますが、代表的なものとして以下のものがあげられます。
評価基準
- 継続性(継続しか収益が見込めるか)
- 十分性(それが影響で他の売上に悪影響が出ないか)
- 実効性(コストやリスクが高くないか)
最後に優先順位が最も高いもの(もしくは高いもの何個か)を施策として決定します。
問題解決型のグループディスカッションは以上のようなフレームワークを理解しておくことで議論をグッと進めやすくなります。
自由討論型グループディスカッションのコツ
自由討論型グループディスカッションは、他の2つと異なり決まったフレームワークが存在しません。
そのため、決まったフレームワークで議論を主導する力ではなく、基本的には議論の中で主体性や思考力、他者の意見を聞き入れる力をアピールすることが重要になります。
自由討論型グループディスカッションをスムーズに進めるためのコツは以下の2つです。
- テーマの定義を全員で共有すること
- 時間配分をしっかりと決めること
以下、順番に解説します。
テーマの定義を全員で共有すること
自由討論型グループディスカッションは、チームごとに自由な発想ができるようにテーマが曖昧になっています。
そのため、議論している途中でそれぞれが全く違う観点から意見をしてしまうのを防ぐために、テーマの定義を全員で共有することが最も重要になります。
例えば、「良い社会とは何か」という漠然としたテーマに対しては、
- 「社会」とは日本のことか、世界のことか
- 誰にとっての「良い社会」なのか
- 「良い」とは、物質的な満足度か、精神的な満足度か
こういった点について定義をしてより狭い範囲で議論を進めることが大切です。
時間配分をしっかりと決めること
これは自由討論型に限った話ではなりませんが、グループディスカッションは多くの場合制限時間が非常に短く、基本的に満足のできる議論はできません。
そのため、ディスカッションが始まったらすぐに持ち時間をどう使うかを話し合って決定しておくことが重要です。
具体的には、テーマの定義、アイデア出し、プレゼン準備についてそれぞれ時間を割り振るといいでしょう。
グループディスカッションにおけるテーマ共通のコツについて詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください!
フェルミ推定型グループディスカッションのコツ
フェルミ推定型グループディスカッションに関しても、問題解決型と同様にフレームワークが存在するため、大まかにはこのフレームワークに沿って考えていくことが重要です。
フェルミ推定型のフレームワークは、以下の通りです。
フェルミ推定型のフレームワーク
- 時間配分
- お題の再定義
- 数式化・要素分解
- 計算
- プレゼン設計・質疑対策
順番に解説します。
時間配分
まず最初に、決められた時間内に結論を出すための時間配分を行います。
お題の定義からプレゼン設計・質疑対策までの4つの段階のうち、特に重要なのは「お題の再定義」と「数式化・要素分解」の2つ。この2つに時間をかけられるような配分にするのがいいでしょう。
また、2つの中でも特に「数式化・要素分解」の充実度によってフェルミ推定の精度が大きく異なってくるため、この段階に十分な時間を割くようにしましょう。
お題の再定義
時間配分ができたら、お題の再定義を行います。
今回は、以下のお題を例として解説していきます。
フェルミ推定のお題
- 「世界で1ヶ月に建てられる建物の数は?」
このお題を定義するにあたって重要なのは、「建物」をどう捉えるかです。
建物には住宅用の建物とオフィス用の建物が存在し、また、個人用の建物かマンションかという分類も存在するため、正確に考えるためには2×2=4つに分解して計算する必要があります。
1時間ほどの時間がある場合はその全てを計算しても良いですが、時間がない場合は個人用の住宅(戸建)など、1つに絞ってフェルミ推定を行うのがいいでしょう。
今回は、個人用の住宅に絞って計算するケースで解説します。
数式化・要素分解
お題の再定義ができたら、いよいよ最も重要な数式化および要素分解を行います。
数式化・要素分解とは、「お題に対する解答を推定するために必要な要素を分解し、数式を導き出す」過程のこと。
今回のお題に対して解答を出すためには、いきなり世界中での建物の数を考え出すのではなく、まず身近な日本でどれだけ建物が建てられているかを考え、それをもとに世界での建物数を考えていきます。
また、1カ月あたりの数はイメージをしづらいため、1年で建てられる建物数を考え、それを12で割ることにします。
これらを考慮すると、お題に対する解答を推定するための式は以下のようになります。
フェルミ推定の式
- 日本で1年に建てられる建物の数 × 世界人口 / 日本人口 × 1/12
そして、ここからさらに要素を分解してすべてを数字で表せるようにします。
1.日本で1年に建てられる建物の数
日本において戸建を購入するのは、夫婦が新居を購入したり、家を建て替える場合がほとんどだと推定します。
そして、夫婦の選択肢として新築の購入と中古の購入、賃貸の3つがある中で、新築の購入を選んだ場合のみ新しく建物が建てられると考えます。
そうすると、日本で1年に建てられる建物の数は、
日本で1年に建てられる建物の数
- 建物数 × 購入率 × 新築選択率
と表せます。
2.世界人口 / 日本人口
こちらは自分の持つ知識を使って大まかに計算します。
世界人口は約70億人、日本人口は計算を簡易にするためにも細かい数字は省き、約1億人と仮定します。
要素分解を数式化を行った結果、最終的に数式は以下のようになりました。
フェルミ推定の式2
- (建物数 × 購入率 × 新築選択率)× 70 × 1/12
次は、これを用いて実際に計算します。
計算
前までのステップで数式化ができたら、あとは大まかな予想に基づいて数値を決定し、計算をするのみです。
日本で1年に建てられる建物の数についての数値の推定と概算は以下のようにしました。
数値の推定と概算
- 日本の総人口は1億人と設定
- 建物数、購入率、新築選択率については以下のように推定
〜20代 | 20代〜40代 | 40代〜60代 | 60代〜 | |
総人口に対する割合 | 20% | 30% | 30% | 20% |
1世帯あたりの購入数 | × | 1 | 1 | 1 |
購入率 | × | 60% | 20% | 10% |
新築選択率 | × | 60% | 80% | 50% |
※世代別の人数について、夫婦(2人)で1件の購入を想定しているため、実際にはさらに1/2をかける。
〜20代については自分の家を持っていないと想定。
世代別の総人口に対する割合はフェルミ推定においてよく出てくる数値なので、覚えておくと良いでしょう。
したがって、日本で1年に建てられる建物の数は
(20代〜40代)…1億 × 30/100 × 1/2 × 1 × 0.6 × 0.6 = 540万(件)
(40代〜60代)…1億 × 30/100 × 1/2 × 1 × 0.2 × 0.8 = 240万(件)
(60代〜) …1億 × 20/100 × 1/2 × 1 × 0.1 × 0.5 = 50万(件)
となり、最終的に求めたい「世界で1ヶ月に建てられる建物の数は?」に対する解答は、
フェルミ推定の解答
- (540万 + 240万 + 50万)× 70 × 1/12 =48,416,667(件)
となります。
プレゼン設計・質疑対策
最後に、今までのお題の再定義や数式化・要素分解、計算をわかりやすくまとめてプレゼンの準備を行い、詰めが甘いところがないかを考えることで質疑対策をします。
フェルミ推定型グループディスカッションのフレームワークは以上です。
フェルミ推定を行う際はフレームワークを頭に入れるだけでは不十分で、数をこなして数式化・要素分解の精度を高めることが必須です。
したがって実戦で何度も挑戦することで次第に選考突破率が上がってくることが多いため、失敗を恐れずに選考にチャレンジするようにしましょう。
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対策法を理解すればグループディスカッションは怖くない
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