- 「GPAは就職に関係ないって聞いたけど本当なのかな?」
- 「GPAは就職にどれくらい影響するの?」
- 「GPAを重視する企業ってどのくらいあるのだろう?」
大学でGPAという言葉を耳にしたあなたは、それが自分の就活にどのような影響があるのか気になっていませんか?
結論から述べると、GPAは就職にほぼ関係ありません。というのも、GPAによる評価を求める企業の割合はかなり低いからですね。
そこで本記事では、GPAを重視する企業が少ない理由やGPAが就職に影響を及ぼすケースについて解説します。
この記事を読めば、成績に関する余計な悩みが解消され、就活に専念できるようになりますよ!
なお、就活を成功させるためには、全体像を把握することが必要不可欠です。
GPA(Grade Point Average)は、成績評価を対象期間で全教科で割ると出る数値です。
成績はS,A,B,C,Dなどの5段階で評価され、最高値は4.0となります。
基本的に3.0以上で優秀、2.0以下は単位を落としているものも多いと考えられます。
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GPAでの評価を求める企業は依然として少ない
冒頭でも述べたとおり、GPAによる評価を求める企業の割合は依然として低いです。
詳しい理由は後述するとして、まずGPAに関するデータから見ていきましょう。
文部科学省が2019年に行った調査によると、GPAの導入理由に「民間企業など、学外の組織や大学関係者から求められる機会が多いため」と述べた大学はわずか14.9%でした。
これは単純に見るならば、大学にGPAを求める企業が少ないことの表れだといえるでしょう。
また、リシュ活が行った調査によると、「採用選考において、学業を重視していると感じた企業の割合は?」という質問に、「なし〜1割程度」と回答した学生は51.8%を占めました。
このことからもわかるとおり、学生が獲得した単位や成績を意識している企業は依然として少ないといえます。
GPAを重視する企業が少ない3つの理由
GPAを重視する企業が少ない理由は、以下の3つが挙げられます。
理由1:日本の企業の多くは人柄を重視するから
理由2:評価基準が教授ごとに大きく異なるから
理由3:適性検査のほうが正確に就活生の能力を測れるから
GPAが日本で導入され始めたのは1998年頃からですが、依然としてその認知度は低いです。
また、大学によっては評価ごとに付与されるGPの値が違ったり、評価段階が異なったりするため、公正な比較ができないのも問題だといえるでしょう。
以下の記事ではGPAにまつわる問題とともに、計算方法や平均値も解説しているので、「自分のGPAってどのくらいなんだろう?」と悩んでいる方は読んでくださいね。
理由1:日本の企業の多くは人柄を重視するから
就職みらい研究所が作成している就職白書2019によると、「企業が採用基準で重視する項目」で「人柄」を挙げた企業は全体の92.2%に達しました。
引用:就職みらい研究所『就職白書2019』
これに対し、「大学での成績を重視する」と回答した企業は、わずか13.9%しかいませんでした。
簡単にいってしまえば、日本の企業は学生の成績よりも人柄のほうを圧倒的に重要視しているわけですね。
もちろん、だからといってGPAをまったく意識しなくて良いということにはなりません。
しかし、少なくとも自分の人柄を磨くことのほうが、就活対策としてコスパに優れているといえるでしょう。
理由2:評価基準が講師や教授ごとに大きく異なるから
GPAは、それまでの日本の大学に存在しなかった「画一的な評価制度」を確立するために、導入が進められました。
しかし、「GPAの導入によって学生同士を公正に比較できるようになったか?」といえば、そうではありません。
肝心な評価基準が、講師や教授によって大きく異なるからですね。
たとえば、最近ではあまり聞かれなくなりましたが、昔は「教授の引っ越しの手伝いをすると単位がもらえた」ということも普通にあり得ました。
また、講義の出席をまったく取らなかったり、期末試験や小論文を実施しなかったりする教授も未だに存在します。
そして、かつては大学生だった企業側の人事部も、こういった教授が存在していることを十分理解しているはずです。
つまり、採用担当者は自身の経験則からも、「大学の成績は参考にならない」と理解しているわけですね。
理由3:適性検査のほうが正確に就活生の能力を測れるから
企業がGPAを重視しない理由の一つに、適性検査の存在が挙げられます。
これは就活生の能力や性格を診断するためのテストで、実に企業の7割近くが導入しているほどメジャーなものです。
そもそも学生の成績の良さと、仕事ができるかどうかは、必ずしもイコールだと限りません。
また、仕事内容と結びつくかどうかわからない成績を問うよりも、学生の能力を直接検査したほうが選考の手間が省けます。
そのため、GPAよりも適性検査対策のほうが重要度は高いといえるでしょう。
以下の記事では、適性検査の対策方法や模擬試験が受けられるサイトを紹介しているので、試験を受ける前にぜひ目を通しておいてくださいね。
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GPAが就職に影響を及ぼすケース3選
GPAが重視されていない理由は前述のとおりですが、実はGPAが就職に影響を及ぼすケースも存在します。
それが以下の3つです。
ケース1:GPAが平均を大きく下回っている
ケース2:海外の大学を卒業している
ケース3:大企業や外資系企業に就職する
このうち、誰もが遭遇する可能性があるのは、一つ目のケースでしょう。
GPAの重要度はそこまで高くありませんが、だからといって平均より大きく下回っているとどうしても目立ちます。
就活が忙しいのはわかりますが、なるべく学業も疎かにしないよう気をつけてくださいね。
ケース1:GPAが平均を大きく下回っている
GPAが平均を大きく下回っていると、採用担当者から突っ込まれる可能性が高まります。
理由は単純で、成績が悪いと「この人は本当に卒業できるのだろうか?」と怪しまれてしまうからですね。
では、GPAの平均はどのくらいのかというと、これは2.4〜2.7が一般的だとされています。
実際に、ベネッセが2008年に行った調査によると、大学生の平均GPAは2.7でした。
引用:ベネッセ:『大学生の学習・生活実態調査報告書』
GPAの平均は大学や学部によって微妙に異なりますが、基本的に2.0以下でない限り心配する必要はないでしょう。
仮に、2.0以下の場合は、後述のとおり別の強みやガクチカをアピールする必要があります。
ケース2:海外の大学を卒業している
一般的に、日本の大学は「入学は難しいが卒業は簡単」であるのに対し、海外の大学は「入学は簡単だが卒業は難しい」という特徴があります。
この卒業が難しい理由として挙げられるのが、学生に対する厳正な評価です。
たとえば、アメリカの大学で配布されているシラバスには、どのような評価基準で成績が決まるかがきちんと明記されています。
仮に、テストの点数が良くても、この評価基準をクリアしなければ好成績は与えられません。
テストの点数さえ良ければ好成績が与えれる日本とは、大きくかけ離れているといえるでしょう。
このことからわかるとおり、海外の大学のGPAは、日本よりも圧倒的に信頼性が高いのです。
ただし、こういった事情は海外の大学を卒業した人間でないと知らないため、後述の大企業や外資系企業を志望しない限りはほとんど問われません。
ケース3:大企業や外資系企業に就職する
大企業や外資系企業では、大学成績センターへの登録やGPAの申告を義務づけている場合が多いです。
これは大企業ほど採用に慎重になりやすく、学生を多面的に評価したがるためだといえるでしょう。
具体的な企業としては、以下のものがあげられます。
大学成績センターへの登録やGPAの申告を義務づけている企業一覧
- 三菱商事
- 三井物産
- 東レ
- 帝人
- 三井化学
- セブンイレブン・ジャパン
- KADOKAWA
- 富士通
- プルデンシャル生命保険
- 清水建設
- 大塚製薬
- 東急エージェンシー
- 凸版印刷
- JT
- 大塚製薬
これらの企業は、いずれも過去に「採用の際に学生の成績を活用する」と公表した実績があります。
また、GPAはもともと海外で発展した評価制度であるため、特にアメリカに本拠地を置く外資系企業もGPAを重視する傾向にあります。
ただし就活生の学業を重視する企業は増えつつある
ここで読んできた学生の中には、「今のところ、GPAは自分には関係なさそうだ」と、ホッと胸を撫で下ろしている人もいるのではないでしょうか。
しかし、安心してばかりはいられません。
就活生の学業を重視する企業の割合は、年々増加しているからです。
リシュ活の調査結果をもう1度確認してみましょう。
引用:リシュ活『2019年新卒採用における履修履歴活用実態調査結果』
上記のとおり、「採用選考において、学業を重視していると感じた企業の割合は?」という質問に、「なし〜1割程度」と回答した学生の割合は18卒で78.91%、19卒で51.60%でした。
つまり、学業を重視している企業の割合は、少なからず増加しているわけですね。
文部科学省もGPAの発展に意欲的であるため、今後はこの流れが加速していくでしょう。
そのため、あなたが大学を卒業するときに、「GPAは就職に関係ない」といえる保証はどこにもありません。
GPAは就活生を評価するための一つの要素でしかない
- 「そんなことをいっても、いきなり成績を良くすることなんてできないよ……」
- 「GPAを意識してこなかった人は、これからどうすればいいの?」
GPAに関して不安を抱えている方が多いかもしれませんが、大きな心配はいりません。
なぜなら、GPAとは学生を評価するための一つの要素でしかないからですね。
たとえば、「GPAが低かったのは、資格の勉強を優先させていたからです」「学校の成績はあまりよくありませんが、その分ボランティアに参加して社会貢献に努めていました」と説明できれば、GPAの低さをカバーすることは十分可能です。
そして、このための材料として、ぜひとも取り組んでもらいたいのがガクチカです。
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略称で、上記の資格勉強やボランティアを始め、アルバイト・サークル・ゼミでの活動をアピールします。
こう聞くと「本当にそんなことでGPAをカバーできるの?」と思われるかもしれませんが、これは十分可能です。
実際に就活探偵団が行った調査によると、ESで重視する項目に「学生時代に頑張ったこと」と答えた企業は8割近くにまでのぼりました。
引用:就活探偵団『こんなエントリーシートは嫌だ 人事に聞く傾向と対策』
「学業の成績」が20%以下であることを考えると、いかにガクチカが重要なのかが良くわかりますね。
「でも、ガクチカってどうアピールすれば良いのだろう?」という人のために、以下の記事ではエピソード作りの方法を解説しているので、これを読んでGPAの悩みを解消しましょう!
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まとめ
この記事では、以下の内容について解説しました。
- GPAでの評価を求める企業は依然として少ない
- GPAを重視する企業が少ない理由は3つ
- GPAが就職に影響を及ぼすケース3選
現状、GPAは就活にほとんど影響を及ぼしませんが、それでもGPAを重視する企業は着実に増加傾向にあります。
そのため、卒業を控えている大学生の方は、なるべく学業を疎かにしないよう気をつけてくださいね。
もし、「今さら成績を良くすることなんてできない」という人は、以下の記事を参考にガクチカのエピソードを作ってみましょう!
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